だけど今言える 奇跡なんてもの

 

初めてデビューを知ったのは友人からのLINEだった。通知画面に並ぶ「ねえ!すごい!おめでとう!」の文字。なんのことやら。とりあえずジャニヲタからの連絡ならTwitter見れば間違いないか。たいして面白くもない授業を受けながら、いつも通り眠い目を擦ってタイムラインを開く。

 

 

 

<<"King&Prince"デビュー!>>

 

 

 

 

一瞬で頭が混乱した。

 

途端に涙が止まらなくなって、周りの喋り声は完全シャットアウト。画面に並ぶ文字が全く信じられなかった。何度も目を疑った。夢かと思ったけど、ちゃんと現実だった。捻った頰はしっかり痛かった。

 

 

 

 

その発表はあまりにも突然訪れた。欲しくて欲しくてたまらなかった「デビュー」の4文字。気持ちの準備なんて出来ているわけがなかった。

 

 

 

 

2018年1月17日水曜日。担当である平野紫耀くんが6人組グループ”King&Prince”としてデビューしました。正直「意外だった」という感想が最初かもしれない。Mr.KINGとしてやってきた期間が長かったから。このメンバーでデビューしたいね!という言葉を3人の口から頻繁に聞くようになっていたから。でもどちらかというと私は3人じゃないんだ...という落胆というよりも6人なの!?という驚きの方が勝っていた気がする。それはMr.KINGという箱を、”Mr"の名前を愛していないことではなくて。もちろん心底大好きだけど、それよりも3人が離れなくてよかったなという安心感の方が強かったから。

 

 

Jr.からデビューの瞬間に立ち会えたのは個人的には2回目。最初は2011年の中島健人くん。当たり前に嬉しかった。同時に勝手だけど、大袈裟だけど、この時初めて「仲間が分裂する」という経験をした。私が健人くんに堕ちるきっかけにもなった、忘れもしないB.I.Shadow。大好きで、大切で、原点だった。Sexy Zoneとしてデビューしたのはふまけんだけだった。あと2人の名前は事務所からのメールには載っていなかった。健人くんが風磨くんの隣を歩き続ける半永久的な保証がされたことの嬉しさと、そこまでよく知らない3人と同じグループになる不安と、名前がなかった2人への悔しさと、いろんな気持ちが駆け巡ったのをよく覚えている。

 

だけど、私は今のSexy Zoneの5人が心から大好きで。デビュー時の握手会で一生応援していこうともちろん心に決めたけど、このメンバーで24時間テレビまで任せられるようになって。2017年の夏、TDCで4人が笑顔でララリラを歌ったという事実。もうそれだけで充分嬉しかった。たったワンフレーズだけでも幸せだった。WSで見た彼らは違うフィールドで、違う戦い方をしてる顔だった。過去は所詮過程と思い出、だけど何があっても前に進まなきゃいけない世界だから。担当こそ違うけれど、同じデビュー組として共演できる日はそう遠くない気がします。

 

 

だからこそMr.KINGの3人が離れなくてよかったという感情が一番だったんだと思う。いつ分解されるか分からない世界でやっと確約が貰えた。これからも紫耀くんの隣には廉くんと海人くんがいること。私は最もここに執着していたから、まずは同じグループでデビューできる現実に胸をなでおろした。これからもずっと一緒だ。

 

きっとそれはPrinceのファンの方々も同じだったんじゃないかなと思ったりしている。外野ながらにPrinceの3人が離れたら嫌だなと感じてたし。もちろんライバル同士でやってきたからには、それぞれの箱をそれぞれに愛したし、お互いに3人でデビューしたい!するんだ!っていうファンも相当数いたことは事実。でもその扉はなかなか開かない。写真集も、冠番組も、単独コンサートも、その他たくさんの”デビューしているのとほぼ同等”の扱いを受けているのに。

 

「デビューって何?」

 

ここ最近はずっとこればっかりを考えた。私が考えたところで何も事態は動かないんだけど。(笑)

 

 

彼らは満足しなかった。たとえジャニーさんに「君たちは実質デビュー組」と言われても、納得しなかった。先輩たちが辿ってきたように、CDデビューが欲しかった。ファンとしてもこの状態が悔しかった。手の届く場所にあるはずなのに、その扉の開け方が分からなかった。

 

色んな愛し方をしているそれぞれのファンがいると思うけれど、私的にはキンプリの6人が大好きで。2015年の夏のキラキラを一度たりとも忘れたことなんてなかった。「特別公演」は私の中でもずっと「特別」だった。じぐれんがMCを回して、紫耀くんと岸くんはムードメーカー、それをニコニコしながら見守る岩橋くんとかいちゃんの図。勢いのあるってこういうことだ、と思った。でもその景色は8月末を過ぎて突然蜃気楼のように消えた。雑誌も別々の括りになり、15-16の帝劇にPrinceの姿は無かった。私がEXで見た彼らは幻だったのかな。所詮Jr.の世界だ。明日の保証なんてどこにもない。私ができることはただひたすらに紫耀くんの所属するMr.KINGを応援していくことだけ。それからこの二つのグループは"Mr.KiNG vs Mr.PRiNCE"の名を背負っていた期間以上にライバル意識が強まっていった。

 

2017年に入り、再び6人の括りが多くなった。なんで今更?とも思ったりしたけど、Jr.祭りで勝つんだWIN!を聴いた。鳥肌が立った。同じ曲なのに、こんなに違うっけ。エネルギーと爆発力が凄まじかった。2年前と顔つきも歌声もオーラも比べ物にはならなかった。この6人が揃うと何か時代が動く気がする。やっぱりそう思わざるを得なくて。目の前のキンプリはあまりにも強くて。

 

 

もし紫耀くんが直談判の先陣を切っていなかったらこの膠着状態がまだまだ続いていたと思うと、恐ろしすぎて考えたくもない。Jr.のトップだった紫耀くんがPrinceの3人とやっていきたいと決断したなら、れんかいちゃんが賛同したなら、そしてPrinceの3人がMr.KINGと組もうと納得したなら、それでいい。私はすごく嬉しかったよ。大好きな紫耀くんが、大好きな5人と一緒にデビュー出来るんだって心からおめでとうが溢れた。ついにこの日が来たんだなって今までの活動が走馬灯のように脳内を巡った。

 

 

話を戻すけれど偶然か必然か、私は17日の帝劇に入ることになっていた。大好きな永瀬担、長妻担、そして運命の引き合わせとしか思えない貴重なチケットを当ててくれた岩橋担と一緒に。2018年現場初めだな〜と思っていた前日の私。いいか、次の日何が起こるかなんて誰にも分かんないんだぞ。車に轢かれるかもしれないし、自分が突然心臓発作に襲われて病院送りになるかもしれないし、待ち望んだ自担のデビューが決まるかもしれないんだぞ。現実、になる日はくるんだよ。その後の授業なんてまともに聞けるわけもなく、涙を止めることなんてできず、すぐに教室を出た。

 

18時公演予定のはずが、突然帝劇に響くアナウンス。「本日出演者からご挨拶がありますので、10分前の17時50分にはお席にお着き下さい。」記憶が曖昧だけど大体こんなんだったと思う。心臓がばっくばくだった。みんなと喋っててもずっと鼓動が早まるばかりで。17時55分に鳴るはずの5分前チャイムが45分に鳴って。もうそこから現実なんだけど夢のようで、でもちゃんと現実だと認識できたのは下手から背筋をきゅっと伸ばした廉くんが先頭で歩いてきたのを確認した瞬間だったと思う。

 

 

 

 

 

帝劇のセンターに立つ紫耀くんの顔はあまりにも誇らしくて、強くて、前を向いていて、遠い未来を見据えていて、

 

 

ただただ涙が止まらなかった。

 

 

 

 

「"King&Prince"の平野紫耀です。」

 

 

 

 

ああ新しい紫耀くんだ。涙腺が止まることを知らないように次から次へと滝のように涙を流した。

 

  

 

「僕の夢、お札に載ること」

 

 

最後の最後でこう言っていつものように笑う紫耀くんだけは、少し懐かしくて。でもフライングをする紫耀くんも、2幕のメドレーを全力で踊る紫耀くんも、ナイフを手にした紫耀くんも、全部デビューの肩書きを背負った顔をしていた。大きなことを決意した顔で、主観でしかないけれど私が今まで見てきた表情ではなかった。

 

 

その日の幕が閉まる前、東山さんから「今日から、"King&Prince"」という言葉が送られた。6人の顔がいつになくキラキラしていて、涙は止まるわけもなく。帰ったらとにかくWS録画しなきゃと思いながら、ふわふわした気持ちで帰路についた。よく家まで無事に帰れたと思う。一瞬でも気を抜いたらホームから線路に落ちそうだった。さすがに今日死ぬわけにはいかない。興奮は冷めやらず、その日はぜんっぜん眠れなかった。

 

  

 

翌日、紫耀くんが直訴したことがきっかけで掴み取ったデビューだと知った。時期尚早ではないかと言ったメンバー(岸くんと廉くんだと後日知る)もいたと。たくさんの話し合いを重ねた結果、ジャニーさんからのOKが出たと。

 

 

 

 

 

「僕が主犯。」

 

 

 

 

 

こんな時まで平野紫耀平野紫耀だった。主犯。そんなのずるい。なんでこんな言葉を選んでしまうの。なんでいつも一人で背負おうとしてしまうの。要望に120%以上で応えようと、普段あまり自分の気持ちをさらけださないタイプの紫耀くん。想像以上の相当な努力をしているはずなのに、さらっとこなしているように見えてしまう紫耀くん。最近やっと初めて「これ以上は無理です」と口にした紫耀くん。優しすぎる紫耀くんだから、自分が矢面に立って色んなものを守った故の言動だったのかなとか色々憶測できるけれど、その過程の真相は本人たちにしか分からない。Myojoの1万字インタビューで10年後かに語ってくれればそれでいい。そろそろ喋ろうかなというタイミングが来ればその時でいい。

  

でもね、これからはずっと隣で切磋琢磨してきた唯一無二の存在である廉くん、いつもハッピーで癒しをくれる弟のかいちゃんの大事な二人に加えて、今まで以上に君の周りは頼もしい仲間が増えた。唯一の年上であるリーダー岸くん、同い年で普段から仲良しの岩橋くん、いつメンで話も趣味もよく合うという神ちゃん。一緒にジャニフワもやり切った大事な仲間。「主」犯になんて誰もさせないから。仲間の5人が、そして微力かもしれないけれどファンも「共」犯になるから。これから苦しいこと、辛いことは6分割。嬉しいこと、楽しいことは6倍。それでいいよね?

 

 

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改めて”King&Prince”デビューおめでとうございます!私たちがまだ知らない景色を必ず見せてくれる、そう確信してます。20歳の平野紫耀くん、知ってたけど世界一かっこよかった。これからまた新しいスタート。6人がもっとたくさんの人に知られて、愛されて、いずれは東京ドーム、いや世界各地でコンサートできるようなグループになりますように。絶対なるね。夢が叶う瞬間に立ち会わせてくれたことに感謝して。その背中を少しでも押せるような人間でいられるように、これからも応援し続けたいと思う。

 

こぼれ落ちた涙も 履きつぶした靴も

勝利を手にしたときに 全てが宝物になる

一緒に行こうぜ ここから

 

We Gotta Win

 

デカイ夢追いかけて 何があっても

上に 上に 上に行こうぜHey!

牙を剥く ライオンにも 負ける気はしない

答えは一つ・・・

 

こんなとこで終われない 何があっても

前に 前に 前に行こうぜHey!

正面から 噛みついて 男を見せろ

誓いを胸に・・・ そう、勝つんだWIN!

 

(『勝つんだWIN!』2015年 Mr.KiNG vs Mr.PRiNCE)

  

平野紫耀くん、デビューおめでとう!大好きだよー!